安産に効果あり!ストレッチで高められる4つの要素とは?

自分のためにも、生まれてくる赤ちゃんのためにも、出産は安産がいいですよね。その準備のひとつとして、「ストレッチ」があります。

「安産になるようにできるだけ頑張りたい。妊娠中のストレッチが良いって聞くけど、安産にどういう効果があるんだろう……」

妊婦さんのこのような疑問にお答えするため、今回はストレッチの効果について、詳しくお話ししていきます。

5分あれば読み終わるくらいの内容になっているので、気楽に読み進めてみてくださいね!^^

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ところで、ストレッチは安産のための準備として行いますが、あなたの目指す「安産」はどんなお産ですか?

誤解のないように、まずは「安産」という言葉の意味について、解説していきますね。

安産ってどんなお産?

「安産」という言葉を聞いたとき、どんなイメージが浮かんでくるでしょうか。

「短時間でスムーズ」「できるだけ痛い思いをしないで済む」など、きっと人によって少し違うと思います。

実は、「安産」は医療用語ではないので、正しい意味はありません。

つまり、たとえ他の人にとって安産ではなくても、あなたが「安産だ」と思ったら安産になるのです。

……と言われても、理想的な出産については知っておきたいですよね。

私の経験上ですが、次の3つを満たしている場合は、よく「安産」と言われやすいです。

正期産

妊娠37週0日から41週6日までのお産です。この時期よりも早い場合は「早産」、遅い場合は「過期産」と呼ばれます。

早産の場合は赤ちゃんが未熟な状態で生まれる可能性が高くなり、過期産の場合は胎盤の働きが悪くなって赤ちゃんが苦しくなる可能性が高くなります。

こういった理由から、できるだけ正期産を目指します。

自然なお産

自然に陣痛がきて、赤ちゃんが産道を通り、医療器具を使わずに出産すると「安産」と言われる傾向があります。

逆を言うと、何か理由があって帝王切開、陣痛促進剤を使ったお産、吸引分娩、鉗子分娩などになった場合は、「安産」とは言われないことが多いです。

短時間のお産

陣痛が始まってから赤ちゃんを産むまでにかかる時間の目安は、初産婦さんが15時間くらい、経産婦さんが7時間くらいです。

この目安くらいの時間であれば、スムーズな出産だったという意味で「安産」と言われる場合があります。

時間がかかり過ぎると、赤ちゃんの体にかかる負担も大きくなり、赤ちゃんが途中で重度の酸欠状態になってしまうことがあります。

安産じゃないとダメなの?

これら3つを全部満たしていないとダメなのかというと、そんなことはありません。

参考にしていただければと思うのですが、今の時点で私が助産師として目指したい「安産」は、『赤ちゃんが元気に生まれて、お母さんが「赤ちゃんと一緒に頑張ったー!」と思えるお産』です。長いですね(笑)

これまでたくさんの方のお産に関わらせていただきましたが、正期産じゃなくても、自然なお産じゃなくても、どんなに時間がかかっても、「安産だったなぁ」と勝手に思うことは多いです(逆のパターンもありますが…)。

それに「今の時点で」としたのは、私自身の中で「安産」の意味は変わる可能性があるからです。

あなたが今考えている「安産」の意味も、いつか変わるかもしれません。正しい意味が存在しないので、変わっても良いものなのです。

また、実際のお産があなたにとっての安産じゃなかったとしても、ダメだったということにはならないと思っています。

ひとりの人間をお腹の中で育ててこの世界に産んであげられるなんて、それだけでものすごいことだと思いませんか?

……話がずれてきてしまったので、ここで本題に戻ることにしましょう。^^

「安産」の言葉の意味には正解がありませんが、「できるだけ順調なお産がいいな〜」という気持ちはみんな同じですよね。

そこでこのページの中では、あえてざっくりと「安産=順調なお産」と意味を設定して、話を進めていきたいと思います。

ストレッチ効果で高める、4つの要素

お産が順調に進んで「安産だったな」と思えるようにするには、体と心の準備をしておくことがおすすめです。

やれば絶対に安産!とは残念ながら言えないのですが、ストレッチの効果で高められる、安産のための4つの要素をご紹介します。

この4つの要素を高めれば、体と心を「安産になりやすい状態」に整えることができますよ。

1.筋力

陣痛は、簡単に言うと「赤ちゃんを押し出してあげる力」です。

赤ちゃんを産むには、陣痛の波がきたときにお腹にしっかり圧力をかけることが大切です。このお腹の圧力を「腹圧」といいます。

筋力がないとうまく腹圧がかけられず、産むまでに時間がかかり、自分も赤ちゃんも疲れ切ってしまいます。

2.柔軟性

赤ちゃんの通り道である産道は、とても狭いです。赤ちゃんは頭の直径をできるだけ小さくして、上手に回りながら産道を少しずつ進み、ようやく生まれてきます。

もし産道が赤ちゃんの通りやすい状態に整っていたら、スムーズにお産が進みそうですよね。

具体的には、骨盤が歪んでいない、股関節が柔らかい、骨盤底筋が緩んでいるという状態が理想です。

つまり、体の柔軟性が高い状態、ということになります。

3.体力

陣痛が始まってから赤ちゃんを産むまでの時間の目安は、初めての方であれば15時間くらいだというお話をチラッとしました。

しかし、実際はもっと長くかかる場合も珍しくありません。この長時間の陣痛を乗り越えるには、ある程度の体力が必要です。

体力がないと途中で疲れ切って、陣痛が弱くなってしまいます。すると、うまく赤ちゃんを押し出してあげられず、産むのに時間がかかります。

4.精神力

これは私が個人的に重要だと思っている要素です。

出産のときは、陣痛が波のように何度も何度も押し寄せてきます。この激痛の繰り返しが永遠に続くような気さえしてきます。途中で「いつになったら終わるの?!もう無理!!」と投げ出したくなってきます。

そんなとき、呼吸を整えることに意識を向けると、気持ちも落ち着いてきます。少し冷静になって、周りが見えるようになり、何を言われているのか聞こえるようになります。

赤ちゃんのことまで考える余裕も出てきて、「この子も頑張ってる。私も頑張らなきゃ!!何としてもこの子を産むぞ!!」という強い意志が持てるようになります。

数多くのお産を間近で見てきた経験から、このような精神力が安産につながると感じています。

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ストレッチの一般的な効果

ここまでは安産という視点から考えてきましたが、そもそもストレッチをする理由は何だと思いますか?

ストレッチとは、筋肉を伸ばして良い状態に整えることです。スポーツなどの運動の前に行うイメージがあるかもしれませんね。

ストレッチは、筋肉や関節を柔らかくします。運動の前に行うと、体を動かしやすくなったり、ケガを予防したりする効果が期待できます。

ストレッチを毎日続けていると、長期的にも良い効果があります。固まっていた筋肉がほぐれて、体が柔らかくなるのです。

また、呼吸を整えたり、精神的な緊張を解いたりといったリラックス効果もあります。

つまり、一般的に言われているストレッチの効果をまとめると、このようになります。

ストレッチの主な効果

  • 体を動かしやすくなる
  • ケガを予防する
  • 体が柔らかくなる
  • リラックスできる

なんだか良いことばかりです。妊婦さんだけに限らず、ストレッチは体に良い効果がたくさんありそうですね。毎日の生活に取り入れたいところです。

ストレッチの効果をより高めるには

ストレッチは、先ほどお話しした4つの要素でいうと、特に「柔軟性」を高めるのに役立ちます。

さらに、ストレッチの種類ややり方によっては他の要素も鍛えられるので、安産に向けてのストレッチはとてもおすすめです。

安産に必要な柔軟性を高めるには、このような効果が期待できるストレッチを選ぶと良いですよ!

  • 骨盤の歪みを整える効果
  • 股関節を柔らかくする効果
  • 骨盤底筋を緩ませる効果

さらに安産への効果を高めるには、このようなやり方でストレッチしてみてください。

より効果的なストレッチのやり方

  • 筋肉を伸ばすときに息を吐くなど呼吸を意識しながら、ゆっくりとリラックスして行う(精神力アップ効果)
  • 医師からの許可があれば、腹圧をかける練習も一緒に行う(筋力アップ効果)
  • 体調が悪くなければ、少し疲れるくらいの負担がかかるようにする(体力アップ効果)

場合によってはストレッチが逆効果に?!

ストレッチには良い効果がたくさんありますが、人によって状況は違うので、逆効果になってしまう場合もあります。

また、妊娠中の体はデリケートで、注意しなければならないことがたくさんあります。

特にお腹が大きくなってくると、バランスを崩して転びやすいですし、お産の兆候が現れる場合もあります。

自分自身と赤ちゃんの安全のために、ストレッチをするときは次の注意点を必ず守ってくださいね。

妊婦さんのストレッチの注意点

  • 実施する前に、ストレッチを行っても良いか、かかりつけの医師に必ず確認する
  • お腹の張りや痛み、出血などいつもと違う症状があるときや気分が悪いときは行わない
  • 途中でお腹の張りや痛み、違和感があったり、気分が悪くなったりしたときは中止する
  • 中止しても体調が戻らないときは、すぐにかかりつけの病院に連絡して診察を受ける
  • 食後30分以内とお風呂からあがってすぐには行わないようにする
  • ストレッチをするときは、体を締めつけないような、ゆったりとした服装で行う
  • 決して無理をせず、自分のペースでゆっくりと行う
  • 硬い床の上ではなく、マットの上などの柔らかいところで行う
  • ぶつかったりつまずいたりしないように、十分な広さを確保して行う

まとめ

今回は、「安産のためにストレッチはどんな効果があるのか」というテーマでお話ししてきました。最後に内容をまとめますね。

「安産」の言葉の意味は人それぞれで、正しい意味はありません。そこで、このページの中では仮に「安産=順調なお産」と設定して、話を進めてきました。

安産に向けた体と心の準備として、ストレッチはとても役に立ちます。

ストレッチは、安産のために重要な4つの要素「筋力」「柔軟性」「体力」「精神力」を高める効果が期待できるのです。

ストレッチには様々な種類があるので、安産への効果を高めるため、目的によって選びましょう。

より効果的なやり方も少しご紹介しました。実際にストレッチをするとき、ぜひ取り入れてみてください。

妊婦さんの状況によってはストレッチが逆効果になることもあるので、注意点を必ず守って行ってくださいね。

おまけ:おすすめの考え方

お産に向けていろいろと頑張るときにおすすめなのが、結果に期待し過ぎずに「こんなお産にしたいな〜」くらいに考えることです。

期待し過ぎてあまりにストイックになってしまうと、実際のお産が理想と違ったときに、あんなに頑張ったのに……とやりきれない気持ちになります。

これから赤ちゃんとの生活が始まるというときに、深く落ち込んで何もかもが嫌になってしまったら……。本当に辛いです。

お産は、誰に何が起こるかわかりません。さらに、様々な要素が複雑に関係してきます。助産師はお産の進みを予測しますが、正確なことはお産してみないと誰にもわからないのです。

でも、「どうせ安産になるかわからないなら、何もしなくていいや〜」というのもちょっと怖いです。

お産をしてから「あのときこうしておけば……」という後悔がいつまでも残り、自分を責め続けてしまう人もいるのです。

結果を期待しないで、まずはこの機会にストレッチを1種類だけ選んで、チャレンジしてみるのはどうでしょうか?

こちらの記事では、具体的なストレッチをたくさんご紹介しています。記事の前半はこのページと同じような文章が続くので、どんどん飛ばして後半を読んでいただければと思います。^^

臨月からの安産体操とは?寝ながらできるストレッチ!

安産に向けて!股関節を柔らかくするストレッチとは?

妊娠後期におすすめ!安産のためのストレッチ6つ!

「これならできそうかな♪」「なんとなくこれやってみるか〜」という直感で、とりあえずストレッチを選んでみてください。

妊娠や出産で頑張った経験は、後から思い出したとき、揺るぎない自信になっていきますよ!!勝手に応援しています♪(*^ω^*)

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