妊婦さんが朝ごはんを抜きにするのは、どのような理由からでしょうか。もともと朝ごはんを食べない習慣があるのかもしれません。
あるいは、妊婦健診では体重測定や尿検査があるので、その日だけ朝ごはんを抜きにしているかもしれません。
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それでは、妊婦さんが朝ごはんを食べないとどういう状態になるのでしょうか。それぞれの妊婦さんに理由があると思いますが、他に解決策はないのでしょうか。一緒に考えていきましょう!
朝ごはんを食べないとどうなるのか

晩ごはんが19時だとすると、夜寝て、朝起きて、朝ごはんを7時に食べる。そうすると、ちょうど12時間何も食べない状態が続きます。朝ごはんを抜きにすると、お昼ごはんが12時だとすれば、17時間もの長い間、空腹の状態が続くことになります。
人間の脳は糖分を使って思考を働かせています。そのため、朝ごはんを抜きにすると思考力や集中力が低下してしまいます。
また、身体のエネルギーが不足して体調が悪くなります。妊婦さんはお腹の中の赤ちゃんにも酸素や栄養を届けなければならないので、朝ごはんを食べないとさらに気分が悪くなって倒れてしまう人もいます。
さらに、エネルギー不足になると身体が脂肪を多く蓄えようとするので、お昼ごはんで脂肪がたくさん蓄積され、体重がどんどん増えていきます。
体重が増えすぎると、赤ちゃんの生まれてくる通り道が狭くなったり、お産後の子宮からの出血が止まりにくくなったりと、難産となる可能性が高くなってしまいます。
加えて、朝ごはんを抜きにするとお昼ごはんで血糖値が急上昇します。そうすると血糖値を下げるインスリンというホルモンが多量に使われてしまい、糖尿病になるリスクも高くなります。
このように、朝ごはんを抜きにすると、思考力低下、エネルギー不足、体重増加による難産、糖尿病のリスク増大など、身体への悪影響が非常に多いのです。
妊婦が朝ごはんを抜きにする理由
朝ごはんを抜きにする理由は、妊婦さんであればこの2つに大きく分けられるのではないでしょうか。
- もともと朝ごはんを食べない習慣だから
- 妊婦健診で問題のない結果を出したいから
朝ごはんを抜きにすると身体に悪影響ばかり起こるのに、どうして朝ごはんを食べないのでしょうか。それぞれの理由について、詳しくみていきましょう。
もともと朝ごはんを食べない習慣だから
私の経験談になりますが、大学生になり実家を出てから、朝ごはんを食べない日が多くありました。朝少しでも寝ていたくてギリギリの時間に起きて、朝ごはんを抜いていたのです。その結果、講義内容は頭に入らず、午前中は力が入らない感じがしていました。
また、毎日夜遅くに寝るため常に寝不足の状態が続いており、休日になると昼頃まで起きることができませんでした。そのため、休日も朝ごはんは食べないで過ごしていました。
朝ごはんを抜きにするのが習慣になっている人は、このように「朝は忙しくて時間がないから」「起きる時間が遅いから」という理由が多いのではないでしょうか。
私の経験談を読んで「健康的な生活だな」と思う人はきっと誰もいないでしょう。私自身も思いません。妊婦さんはお腹の中の赤ちゃんの健康も守らなければならないので、不健康な生活習慣は避けたいところです。
妊婦健診で問題のない結果を出したいから
妊婦健診では、血液検査の日などは朝ごはんを抜きにするように前もって病院から言われることがあります。しかし、そうではない日にも朝ごはんを食べないで健診に行く妊婦さんがいます。
それは、妊婦健診で毎回行われる体重測定や尿検査のためです。朝ごはんを抜きにすることで、問題のない結果を出そうと思っているのです。
体重測定では、妊娠前からの体重増加が多くなっていたり、前回の健診よりも体重が急激に増えていたりすると、食事の内容や習慣について注意を受けます。
尿検査では、主に尿タンパクと尿糖をチェックしています。尿タンパクが陽性だと、腎臓の働きが低下している可能性があり、妊娠高血圧症候群の症状であることもあります。尿糖が陽性だと、糖尿病の疑いがあれば採血などの詳しい検査をします。
尿検査の前に炭水化物や甘いものを多く食べると、一時的に血糖値が高くなることで尿の中に糖が漏れ出てきて、尿糖が陽性になることがあります。
朝ごはんを抜きにして健診に行く妊婦さんは、「体重測定のときに少しでも体重が軽くなるように」「尿検査で尿糖が陽性にならないように」と考えているのです。
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妊婦健診での体重測定と尿検査の目的
朝ごはんを抜きにすれば、一時的には問題のない結果が出るかもしれません。しかし、体重測定や尿検査は、何のために行われているのでしょうか。
体重が増えすぎると難産になる可能性が高くなることはお話ししました。体重測定では、体重増加が大きい妊婦さんに食事の内容や習慣を見直してもらい、妊婦さんが難産にならないようにする目的があります。
体重を増やしやすい食事内容や習慣があると早いうちにわかれば、その分早く改善を始めて難産のリスクを下げることができます。
尿検査で尿糖を調べるのは、妊婦さんが糖尿病を持っていたり、糖尿病になりやすい体質であったりしないかどうかをみる目的があります。
体質的に尿糖が陽性になりやすい妊婦さんもいますし、妊娠中には尿に糖が出やすい時期もあるので、尿糖が陽性になったからといって必ずしも糖尿病が原因とは限りません。糖尿病の可能性が否定できなければ、採血をして血糖値を調べることもあります。
妊婦が糖尿病になると、赤ちゃんが大きくなりすぎて難産になったり、生まれてすぐに赤ちゃんが低血糖を起こして具合が悪くなったりする危険があります。
糖尿病であるとわかったら、炭水化物や糖分を控えてカロリー制限をする食事療法や、無理のない範囲で身体を動かす運動療法を行います。早くわかれば、それだけ治療も早く始めることができます。
このように、体重測定や尿検査は問題のない結果を出すことが目的ではなく、妊婦さんと赤ちゃんにとって脅威となるものを早く発見して、取り除いていくために行われます。
医師や看護師、助産師などに怒られるのは嫌な気持ちだと思います。嫌味な言い方をする医療者も少なからずいます。しかし、一時的に問題のない結果を出すことは、妊婦さんと赤ちゃんにとって良いこととはいえないのです。
朝ごはんを抜きにしない方法
妊婦さんが朝ごはんを食べない理由がわかったところで、どうすれば朝ごはん抜きの習慣を変えられるでしょうか。それぞれの理由に合わせて、解決策を考えていきたいと思います。
もともと朝ごはんを食べない習慣だった妊婦さん
不健康な生活をしていると言われても、今までの習慣を変えるのはものすごく難しいことです。赤ちゃんのためだとわかっているけれどなかなかできない、という状態になる人が多いと思います。
それでは、妊婦さんがいつも食べない朝ごはんを食べるようになるためには、具体的にどのような行動をとればいいのでしょうか。
まず食べるものを前の日から準備します。夜はいつもより少し早く寝て、その分だけ朝少し早く起きます。少し時間に余裕ができるので、何か食べます。そうすれば、朝ごはんが食べられます。
もしできないのであれば、それはなぜかと考えます。その原因はなくせないものなのかどうか考えて、なくせるのであればそうします。もしできたら、自分をほめます。数日間続けてみます。できる日を少しずつ増やしていきます。
この作業に本気で取り組むことができれば、朝ごはんを食べない習慣が食べる習慣へと変わっていきます。「赤ちゃんのため」という大きな理由ができるので、妊娠は生活習慣を理想に近づけるきっかけになってくれますよ。
妊婦健診で問題のない結果を出したい妊婦さん
体重を少しでも軽くしたい妊婦さんは、ちょっと考えてみてください。妊婦健診の日の朝ごはんを毎回抜きにしているとしたら、前の健診時からの体重の増え方は、毎回朝ごはんを食べている場合と同じではないでしょうか。
つまり、妊婦健診の日だけ朝ごはんを抜きにして体重を軽く見せたとしても、体重の増え方を隠すことはできないのです。それでは、朝ごはんを抜きにするという努力に意味はありませんよね。
本当に体重のことが気にかかるのであれば、同じ努力でも、むしろ朝ごはんを毎日食べて食事の内容と食べ方を見直し、カロリーの摂りすぎを控えるように頑張ってみてください。看護師や助産師にやり方を聞いてみてもいいと思いますよ。
尿検査で尿糖が陽性にならないようにしたい妊婦さんは、朝ごはんを食べる時間や内容を工夫してみるのがおすすめです。
尿検査の2時間前からは何も食べないで、食事の影響が少なくなるようにして検査に臨むのが理想的です。朝ごはんの時間をできるだけ早めにしてみてください。
また、尿検査の前に炭水化物や甘いものを多く食べると、一時的に尿糖が陽性になることがあるとお話ししました。朝ごはんの内容はどうでしょうか。お米やパン、ジャム、ジュース、フルーツなどの割合が多くなっていませんか。
もし心当たりのある妊婦さんがいたら、朝ごはんでは野菜をしっかり摂り、炭水化物や甘いものは多く食べないようにしてみてくださいね。
どうしても妊婦健診の日は朝ごはんを抜きにしたい!という妊婦さんは、おにぎりなどを持参しましょう。体重測定と尿検査が終わったら、待ち時間に食べてしまうのです。まったく食べないよりは身体に良いと思いますよ。
まとめ
朝ごはんを食べないと、特に妊婦さんの身体には悪い影響がたくさん出てきてしまいます。自分だけではなくお腹の中の赤ちゃんの健康も守るために、朝ごはんを抜きにすることは止めましょう。
妊娠前から朝ごはんを食べない習慣があった妊婦さんは、最初は何でも良いので、朝起きたら何か食べるようにしてみましょう。少しずつ続けていくと、朝ごはんを抜きにしない習慣ができていきます。
妊婦健診での体重測定や尿検査が気になる妊婦さんは、何のために行っているのかを考えて、朝ごはんを抜きにする以外の方法で根本から解決していきましょう。
その方法とは、カロリーの摂りすぎを抑えた食事の摂り方を心がけて、体重が急激に増えないようにすること、朝ごはんの時間を早め、炭水化物や甘いものをたくさん食べないで野菜を多く摂るようにすることです。
これまでの行動を変えるのは難しいことですが、妊婦さんには「赤ちゃんのため」という大きな理由があります。朝ごはんを抜きにしない習慣を少しずつ自分のものにしていきましょう!
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