妊娠の最初の頃は、流産を心配する妊婦さんが多くいらっしゃると思います。「妊娠超初期」と呼ばれる時期は一体いつのことなのか、皆さん知っていますか。今回は、妊娠週数の数え方と一緒に説明していきます。
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また、妊娠超初期には、流産の兆候としてどのような症状に注意する必要があるのでしょうか。流産の種類にも触れながら、お話ししていきたいと思います。
妊娠超初期とは?

妊娠初期は、妊娠1か月から4か月までのことをいいます。「妊娠超初期」とは、実は正式な名前ではないのですが、一般的には妊娠初期の最初である「妊娠1か月頃」を指す場合が多いようです。
「妊娠○か月」という書き方をしましたが、もうひとつ覚えておいてほしいのが「妊娠週数」です。妊娠週数は妊娠の時期を細かく表現できる数え方で、「妊娠○週」や「妊娠○週○日」と表します。
妊娠初期 | ||||||||||||||||
妊娠1か月 | 妊娠2か月 | 妊娠3か月 | 妊娠4か月 | |||||||||||||
週数 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
妊娠超初期 | 妊娠確定 |
妊娠週数は、最後の月経(=生理)が始まった日を妊娠0週0日としてスタートします。そのため、妊娠0週はまだ月経があり、実際にはまだ妊娠が成立していない時期になります。
もし妊娠していなければ妊娠4週の時期に次の月経が起こるはずなので、「生理が来ないな、妊娠したかも」と気付く頃には、早くても妊娠2か月に入っています。赤ちゃんの心拍が確認できるのは妊娠5週からで、そこで初めて妊娠が確定することになります。
ちょっとややこしい話になってしまいました。簡単に言うと、「妊娠超初期」は妊娠している実感がまだなく、妊娠が確定していない時期ということになります。
流産とは?その原因は?
流産とは、妊娠22週になる前に妊娠が終わってしまうことです。流産は「人工流産」と「自然流産」に分けられますが、今回は「自然流産」のことについてお話ししていきます。
自然流産は妊娠12週までに起こることが多く、この頃に赤ちゃんが生まれてきてしまうと、どんなに頑張っても現在の医療技術では赤ちゃんの命を助けることができません。特に妊娠超初期には、どうしても自然流産が避けられない場合が多くあります。
自然流産の頻度は妊娠の10~15%くらいで、妊婦さんが100人いたら10~15人には自然流産が起こるという割合になります。妊婦さんの年齢が高いほど、自然流産の頻度も高くなります。
自然流産の原因は様々ですが、大きく分けると2つあります。
1.赤ちゃんの側に原因がある場合
流産の原因で最も多いのは、赤ちゃんの染色体の異常です。特に、妊娠12週になる前の流産は赤ちゃんの側に原因があることが多く、流産を避けられない場合がほとんどです。
染色体の数の異常が多いのですが、まれに構造の異常があり、夫婦のどちらかがその因子を持っている場合があります。
2.妊婦さんの側に原因がある場合
細菌やウイルスなどの感染によって流産が引き起こされる場合があります。また、子宮や卵巣、ホルモンの分泌、免疫などの異常が原因となることもあります。夫婦間の血液の相性が合わないことで流産が起こる場合もあります。
下腹部への強い衝撃や精神的なストレス、過度の労働、たばこやアルコール、薬剤なども、まれに流産の原因となることがあります。
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流産の兆候2つ
流産の兆候としては、主に「出血」「下腹部や腰の痛み」の2つの症状がみられます。
出血
流産の主な症状のひとつで、量は少ないことも多いこともあります。少量の出血であれば、茶色のおりもの程度のこともあります。多量であれば命にかかわることもあり、注意が必要です。
下腹部や腰の痛み
流産が進行しているとき強くなり、流産の種類によっては鈍い痛みが長く続くことがあります。
妊娠超初期であれば妊娠自体に気付いていない場合がほとんどなので、これらを月経による症状と勘違いすることも多く、知らないうちに流産が起こっている場合もあります。また、このような兆候がみられないまま流産が起こることもあります。
流産の種類
流産には以下のような種類があり、その種類によって症状や治療などが異なります。
完全流産
赤ちゃんが胎盤などの組織と一緒に完全に子宮の外に出てしまうことをいいます。流産の兆候がみられますが、赤ちゃんが出てしまうと症状はなくなっていきます。妊娠超初期であれば、月経だと思って気付かないまま過ごしている場合もあります。
不全流産
赤ちゃんや胎盤などの組織が子宮の中に一部残っている状態で、流産の兆候が続きます。いつもより症状の重い月経が長引いていると感じて病院に行くと、この「不全流産」と診断される場合があります。子宮の中の赤ちゃんや組織を取り除く必要があります。
稽留流産
赤ちゃんが亡くなってしまい、流産の兆候がないまま子宮の中に留まっている状態です。妊娠超初期を過ぎても超音波検査で赤ちゃんの生存が確認できないと、この「稽留流産」と診断されます。子宮の中の赤ちゃんや組織を取り除く手術が必要になります。
切迫流産
自然流産になる可能性が高まった状態のことです。流産の兆候がみられますが、まだ流産には至っていません。できるだけ横になって安静に過ごしたり、張り止めの飲み薬や点滴を使ったりして、流産が進行するのを防ぎます。
妊娠超初期に流産の兆候がみられたら
妊娠超初期には妊娠している実感がまだないので、流産の兆候である「出血」「下腹部や腰の痛み」がみられても、月経による症状だと思う人がほとんどです。自覚がないまま完全流産が起こっていることもありますし、「生理が長引いているな」と思ったら不全流産や切迫流産の兆候だった、ということもあります。
「出血」「下腹部や腰の痛み」が続くときは、まず産婦人科の病院に電話してその症状を伝えましょう。月経だと思っていたこれらの症状は、流産の兆候かもしれませんし、流産とは関係のない別の原因で起こっているかもしれません。できるだけ早く診察を受けて、医師に原因を調べてもらいましょう。
妊娠超初期では、どうしても流産が避けられない場合が多く、ほとんどの原因が赤ちゃんの染色体の異常です。流産はとても悲しいことですが、妊婦さんは自分を責めずに「避けられないことだった」と焦らず受け止めていきましょう。
まとめ
「妊娠超初期」とは、妊娠初期の最初である「妊娠1か月頃」、妊娠の自覚がまだない時期を指していることが多いです。妊娠週数でいうと、妊娠0週から4週の頃になります。
流産とは、妊娠22週になる前に妊娠が終わってしまうことです。自然流産は妊娠12週までに起こることが多く、その原因としては赤ちゃんの染色体の異常が最も多くなっています。他にも様々な原因で起こる可能性があります。
流産の兆候は「出血」と「下腹部や腰の痛み」の2つの症状がありますが、流産の兆候がみられない種類の流産もあります。流産が起こる前の段階でこれらの症状が現れてくる場合もあります。
妊娠超初期に流産の兆候がみられると、月経との区別がつきにくく、症状が長引くことで初めて気付くことができます。月経が長引くとき、まずは産婦人科に連絡して、できるだけ早く診てもらうようにしましょう。
流産の兆候がみられたとき、産婦人科の病院に行くのは不安と緊張でいっぱいだと思います。しかし、適切な治療や処置を早く受けると、自分の体と次に生まれてくる赤ちゃんを守ることにつながります。後悔することのないように行動していきましょう!
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