心拍確認後も油断できない!流産の兆候とは?

超音波検査による赤ちゃんの心拍確認後は妊娠が確定するので、この時点で流産の心配をほとんどしなくなる方が多いと思います。しかし流産の頻度は意外と高く、心拍確認後でも流産となる可能性は十分にあります。

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そこで、流産の兆候として注意すべき症状や流産の種類、流産の兆候がみられたときの対処などについて、詳しくお話ししていきます!

「妊娠」の確定は、心拍確認後!

月経(=生理)がいつも通り来ないとき、ほとんどの人が市販の妊娠検査薬で妊娠しているか確認すると思います。そこで陽性反応が出ると、妊娠している!と思うかもしれませんが、実はまだ確定できない時期です。

本当に妊娠が確定するのは、産婦人科の病院に行ってからです。具体的には、超音波検査による心拍確認後になります。心拍が確認できるようになるのは、早くても妊娠5週からです。

妊娠が順調に進んでいったとき、週数ごとに何が起こるのか、簡単にまとめてみました。

  • 妊娠0週 …妊娠前の最後の月経がある
  • 妊娠1~2週 …排卵・受精が起こるが、まだ妊娠はしていない
  • 妊娠3週 …受精卵が子宮の内側の膜に着床して、妊娠が成立する
  • 妊娠4週 …市販の妊娠検査薬で陽性反応が出るようになる
  • 妊娠4~5週 …超音波検査で赤ちゃんを包んでいる袋が確認できる
  • 妊娠5~7週 …超音波検査で心拍が確認でき、妊娠が確定する

市販の検査薬で陽性反応が出ても、その後に月経が起こってしまったり、赤ちゃんが亡くなってしまったりして、流産となる可能性が少なくありません。そのため、妊娠をひとまず喜べるのは、赤ちゃんの心拍確認後になるのです。

流産とは?

流産とは、妊娠22週になる前に妊娠が終わってしまうことです。妊娠22週にならないうちに赤ちゃんが生まれてきてしまうと、現在の医療技術では、どんなに頑張ってもその命を助けることができません。

流産は「人工流産」と「自然流産」に分けられますが、今回は「自然流産」についてお話ししていきます。

自然流産は妊娠12週までに起こることが多く、頻度は妊娠の10~15%くらいです。これは、100人中10~15人の妊婦さんには自然流産が起こるという意味で、流産は決して珍しい出来事ではありません。妊婦さんの年齢が高いほど、自然流産の頻度も高くなります。

自然流産の原因は様々ですが、大きく分けると2つあります。

1.赤ちゃんの側に原因がある場合

流産の原因で最も多いのは、赤ちゃんの染色体の異常です。染色体の数の異常が多いのですが、まれに構造の異常があり、夫婦のどちらかがその因子を持っている場合があります。

2.妊婦さんの側に原因がある場合

細菌やウイルスなどの感染によって流産が引き起こされる場合があります。また、子宮や卵巣、ホルモンの分泌、免疫などの異常が原因となったり、夫婦間の血液の相性が合わないことで流産が起こったりする場合もあります。

下腹部への強い衝撃や精神的なストレス、過度の労働、たばこやアルコール、薬剤なども、まれに流産の原因となることがあります。

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流産の兆候2つ

心拍確認後でも、特に妊娠12週まではまだまだ流産の可能性が高い時期です。そのため、流産の兆候がみられないか、よく注意していてください。流産の兆候としては、主に「出血」と「下腹部や腰の痛み」の2つの症状がみられます。

出血

流産の兆候として現れる主な症状のひとつで、量は様々です。少量の出血であれば、茶色のおりもの程度のこともあります。多量であれば命にかかわることも…。

下腹部や腰の痛み

流産が進行しているとき強くなります。場合によっては激しい痛みが起こったり、にぶい痛みが長く続いたりします。

流産の種類と症状、その後の治療

流産は、妊娠の終わり方でいくつかの種類に分けられ、その種類によって症状や治療などが異なります。そこで、それぞれについて簡単にまとめてみました。

完全流産

赤ちゃんが胎盤などの組織と一緒に完全に子宮の外に出てしまいます。流産の兆候がみられますが、赤ちゃんが出てしまうと症状はなくなっていきます。治療は特にせず様子をみる場合が多いです。

不全流産

赤ちゃんや胎盤などの組織が子宮の中に一部残っている状態で、流産の兆候が続きます。出血は多く、痛みは強くなることが多いので、注意が必要です。子宮の中の赤ちゃんや組織を取り除く必要があります。

稽留流産

赤ちゃんが亡くなってしまい、流産の兆候がないまま子宮の中に留まっている状態です。最初の心拍確認後であれば、確認できていたはずの心拍がみられなくなることで診断されます。子宮の中の赤ちゃんや組織を取り除く手術が必要になります。

切迫流産

自然流産になる可能性が高まった状態です。流産の兆候がみられますが、まだ流産には至っていません。できるだけ横になって安静に過ごしたり、張り止めの飲み薬や点滴を使ったりして、流産が進行しないよう手を尽くします。

心拍確認後に流産の兆候がみられたら

赤ちゃんの心拍確認後には妊娠が確定しているので、流産の兆候がみられたとき「赤ちゃんが亡くなってしまったかもしれない」と不安でいっぱいになると思います。しかし、切迫流産であれば、流産の進行を防げる場合もあります。

心拍確認後も、妊娠12週までは特に流産の確率が高いことを忘れずにいてください。もし心拍確認後に流産の兆候がみられたら、まずは病院に連絡しましょう。できるだけ早く診察してもらい、原因を調べます。その後は、医師に言われたことを守りましょう。

流産を経験しても、その後に妊娠して元気な赤ちゃんを出産する人はたくさんいます。特に早期に起こる流産は、どんなに頑張っても避けられない場合が多いです。心拍確認後は特に自分を責めてしまうかもしれませんが、妊婦さんは悪くないのです。

心拍確認後に流産が起こると、赤ちゃんを視覚的に認識できていた分、より深い悲しみが訪れます。いつまでも悲しみ続けることはできませんが、無理に忘れる必要もありません。焦らなくてもいいので、ゆっくりと乗り越えていきましょう。

まとめ

妊娠が確定するのは赤ちゃんの心拍確認後であり、早くても妊娠5週になります。流産とは、妊娠22週になる前に妊娠が終わってしまうことです。自然流産の原因は赤ちゃんの側にあることが多く、100人中10~15人の妊婦さんには流産が起こります。

心拍確認後にみられる主な流産の兆候は「出血」「下腹部や腰の痛み」の2つの症状です。流産の種類は、妊娠の終わり方によって「完全流産」「不全流産」「稽留流産」などがあり、流産の兆候の現れ方やその後の治療が違います。

「切迫流産」は自然流産になる可能性が高まった状態です。流産の兆候がみられるので、診察を受けて医師の指示に従い、できるだけ安静に過ごします。安静にしても流産になってしまう可能性はありますが、流産まで至らずに済む可能性もあります。

流産は決して珍しい出来事ではなく、心拍確認後であっても、どの妊婦さんに起こってもおかしくありません。流産になってしまっても自分を責めないで、ゆっくりと乗り越えていきましょう。

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