マタニティーブルーについて聞いたことのある人は多いと思いますが、実は、妊婦さんの夫もマタニティーブルーのようになってしまう可能性があります。妊娠するわけでもないのにどうして夫がマタニティーブルーになるのか、不思議ですよね。
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そこで今回は、夫のマタニティーブルーについて、その理由と解決策をお話ししていきたいと思います!
そもそも「マタニティーブルー」とは?

マタニティーブルーとは、お産を終えて数日の間に涙もろくなり、気持ちが落ち着かず悲しくなって、不安になったり、怒りっぽくなったりする状態です。「マタニティーブルーズ」と呼ばれる場合もあります。
この状態は一時的にみられる自然なもので、産後1週間から10日くらいで落ち着く場合がほとんどです。
お産の後は、急激に低下するホルモンなどの影響で気分が落ち込みやすくなり、頻回な授乳による睡眠不足や育児がうまくいかないことなどが要因となって、マタニティーブルーが起こると考えられています。
このように、正確には「産後」に起こるものをマタニティーブルーといいます。しかし、妊娠に伴う自分の体や環境の変化により、お産の前にもマタニティーブルーのような状態になることがあります。そのため、今回は妊娠中も含めた状態と考えます。
マタニティーブルーの症状
実際には以下のような症状が現れてきます。もし産後数日でこういった症状がみられたら、マタニティーブルーの状態になっている可能性が考えられます。妊娠中にも現れる場合があり、産後2週間以上続くときは「産後うつ病」の可能性があるので注意が必要です。
- なぜか急に泣きたくなる
- 実際に数分間泣いてしまう
- 気分が落ち込んでやる気が出ない
- 気持ちが不安定で落ち着かない
- 不安で心配しすぎてしまう
- 育児に自信が持てない
- 集中力が続かない
- 疲労感や緊張感を強く感じる
- 食欲が出ない
- 孤独な気持ちになる
産後うつ病については、こちらの記事にまとめていますのでご覧ください。
⇒マタニティーブルーと産後うつ病の大きな違いとは!
夫のマタニティーブルーとは?
夫は妊婦さんと違い、妊娠に伴うホルモンの変化や体の変化などを経験するわけではありません。しかし、妊婦さんのマタニティーブルーと同じような時期に、同じような症状が出てくることがあります。
夫のマタニティーブルーは「パタニティーブルー」と呼ばれることがあります。パタニティーとは「父性」という意味です。父親になるのは嬉しいはずなのに、なぜかひどく落ち込んだり、悲しくなったり、気持ちが不安定になってしまう状態を表しています。
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夫にもマタニティーブルーが起こる理由
それでは、妊婦さんの夫がどうしてマタニティーブルーになるのでしょうか。夫は、妊娠による身体の変化はもちろんありませんが、環境や気持ちの面には大きな変化が起こります。それらの変化が夫をマタニティーブルーにする可能性があるのです。
そこで、妊婦さんの夫に起こる大きな変化について、3つに分けてお話ししたいと思います。
1.生活の変化
夫は家計を支えていることが多いので、フルタイムで仕事をしている人がほとんどではないかと思います。妻の妊娠により家事や育児なども担うとなると、仕事で疲れた後に家でも働くことになり、自由な時間が以前より少なくなってしまいます。
友人や職場の飲み会などを断って家族の時間を優先しなければならない場面も出てきて、社会から切り離されたような疎外感を抱く夫も少なくありません。こうした生活の変化は、夫の気持ちに大きな影響を及ぼし、マタニティーブルーを引き起こす原因となります。
2.人生における役割の変化
夫は夫としての役割をすでに持っていますが、子どもが生まれると父親としての役割も果たしていかなければならなくなります。つまり、妻と子どもを支えて生きていくということです。将来を真剣に思えば思うほど、金銭面も精神面もプレッシャーが大きくなります。
子どもが自立するまでちゃんと育てていけるのか不安になったり、実際に父親になったときに気持ちが追い付かず現実逃避をしてしまったりすることがあります。それがマタニティーブルーと同じような症状として現れるのです。
3.妻との関係の変化
妊娠中から産後にかけて、妊婦さんは気持ちが不安定な状態で。すぐにイライラしたり落ち込んだりします。体の不調を訴えることも多く、お腹が大きくなるとできないことも増えます。自分のことで精一杯な妻に対し、優しい夫ほど気を遣いすぎて疲れてしまいます。
また、子どもが生まれると、妻は子育てに全力を注がなければなりません。夫と二人で過ごす時間はなく、夫の気持ちにまで配慮するのはなかなか難しくなります。夫は、妻を子どもに取られたように感じ、とても寂しい思いをします。やきもちを焼いてしまうのです。
こうした背景から、夫は妻を想う人ほど精神的ストレスが大きくなり、マタニティーブルーの状態になりやすいと考えられます。夫がマタニティーブルーのようになったとき、妻はその理由が理解しがたく、最悪の場合は離婚につながることもあります。
夫のマタニティーブルーに解決策はある?
これまでの内容から、妊婦さんの夫もマタニティーブルーになりやすい理由がわかっていただけたと思います。それでは、夫のマタニティーブルーに解決策はあるのでしょうか。私は個人的に、「妻が夫を想う気持ちを忘れない」が唯一の解決策だと考えています。
マタニティーブルーになりやすい夫は、優しくて将来を真剣に考え精一杯努力してくれる人や、子どもっぽく無邪気で妻を一途に想う人だと思います。
妻も自分を想ってくれていると実感できれば、夫は心が満たされ、マタニティーブルーにならずに済むのではないでしょうか。さらに、夫としても父親としても自分の役割を果たそうとしてくれて、より良い夫婦関係を築くことができる可能性も高いと思います。
毎日の会話が少なくなるとお互いの気持ちがわからなくなっていきます。夫婦二人で出かけてみるなど、夫との時間を作って思いを伝え合えるといいですね。産後は、両親や義父母、託児所などを頼って、たまには子どもを預かってもらうのも良いと思います。
夫に多くを求めすぎないように…
妊婦さんは女性ホルモンをはじめ体に大きな変化が起こるので、夫よりも気持ちが不安定になりやすく、自分自身と赤ちゃんのことで精一杯です。我慢しなければならないことも多く、夫に「あなたも我慢してよ!」と言ってしまいたくなる場面があるかもしれません。
いちいちお願いしないと何もしてくれない夫に「言わなくても見ればわかるでしょ!」と思ったり、育児に参加しようとしない夫を「もう父親なんだから自覚持ってよ!」と責めたくなったりするかもしれません。理想や他の誰かと比べてしまうこともあるでしょう。
思わず感情的になってしまいそうなときは、一度深呼吸をして、想像してみてください。妊婦さんの夫にも我慢していることがあります。言ってくれないとどう頑張ればいいのかわかりません。妊娠の経験がない分、父親としての自覚を持つには時間がかかります。
夫に完璧を求めてしまうと、お互いに精神的ストレスが強くなり、どちらもマタニティーブルーになるという可能性も高くなってきます。できれば「夫は何もしてくれないのが当たり前」を前提に考えるようにしてみてください。
完全に理解してもらおうと思わないようにしましょう。どんなに小さなことでも、何かしてくれたら感謝の気持ちを伝えるよう心がけましょう。夫なりに頑張ってくれていることを認めてあげましょう。なかなか難しいですが、もしできたら、本当に素晴らしいです。
妊婦さんの夫にも実は様々な変化が起こっていて、多かれ少なかれ必ずストレスを感じています。このことだけは、頭の片隅に置いていてくださいね。それだけで夫に対する気持ちが違ってくるはずです。夫への言動も自然と穏やかになると思います。
まとめ
妊娠中から産後にかけては、妊婦さんの夫もマタニティーブルーのような状態になる可能性があります。具体的には、気持ちが落ち込んで何事もやる気が出ず、情緒不安定になり、過度の不安や疲労、緊張、孤独などを感じます。自信を失い、食欲がなくなる人もいます。
夫が妊娠するわけではないので、夫の体にはもちろん変化が起こりません。しかし、妻が妊娠することによって、夫の生活や人生における役割、妻との関係は大きく変化します。こういった変化が夫の精神面に影響を及ぼし、マタニティーブルーを引き起こすのです。
夫のマタニティーブルーに対する解決策は、「妻が夫を想う気持ちを忘れない」ことだと私は考えます。妊娠から産後にかけて、妊婦さんは自分自身と赤ちゃんのことで精一杯だと思いますが、ときには夫と二人の時間を作って、気持ちを伝え合ってみてくださいね。
妊婦さんの夫も多かれ少なかれ我慢をしていて、必ず何らかのストレスを抱えています。このことを頭の片隅に置き、夫を一方的に責めないであげてください。夫には最初から期待しすぎないのがおすすめです。父親としての成長をじっくり見守っていきましょう。
マタニティーブルーと夫との関係については、こちらの記事もご覧ください。
⇒マタニティーブルーで旦那さんを嫌いになる?原因と解決策!
⇒妊婦だけど離婚したい!これってマタニティーブルーのせい?